首無し向日葵とホットケーキ
そういえば、今日は七夕なんだなぁ。
なんて、夜中の2:30頃に思っていた。
2人の時間を大切にする為に織姫と彦星は空に雲のカーテンを閉める。
いつもそう。
でも、旧暦で言うと八月七日がそうなんだって。
早朝からの仕事からの帰り道。
道に一つだけこぼれた梅の実を蹴飛ばしてしまった。
その代わり、誰かに無自覚に殺されてしまうかもしれない道に迷い込んだ芋虫を踏まずに超えていった。
綺麗に並ばされた首無し向日葵を見つけた。
太陽に顔を向けて生きられるなんて、羨ましいと思った。
枯れたネギ坊主。
ネギの花って、知ってる人、今は少ないんじゃないかな。
定められた場所じゃ足りなくて、はみ出したカボチャのツル。
雨だというのに、匂いがする白い掌サイズの薔薇のような花。
名前を知らなくて少し悔しかった。
綺麗なドレス姿の陶器の大きなオブジェかと思ったら、ただのゴミの塊だった。人生ってそんなもんw
イヤフォンをして、自分の人生にBGMをかけて、声は出さずに歌う。
そうでもしなきゃ生きられないから。
息がしずらい…。気圧のせいかな。
今日はホットケーキでも食べたい気分だった。
でも牛乳を買い忘れてしまった。水でもいいけど、やっぱり美味しくなかった…。
ヨーグルトを隠し味にすると美味しいって知ってる?
転校してきた優しい女の子の先輩の家に行った時、その子のお父さんに作ってもらった。バニラエッセンスとヨーグルトを入れると美味しいんだよって。
その子にはお母さんがいなかった。だから寂しいって言ってた。
そしていつの間にか、引っ越してしまっていた…。
きっと、何処かで強く生きてると思うの。
私はあのホットケーキの味を忘れることなくいるの。
あなたと出会った証拠だから。
そんな昔のことをふと思い出してしまうような日だった。