梅雨の雨がまた鳴く日には

【梅雨】

雨がパタパタ空から落ちてくる。

皆雨に濡れている。

そんな綺麗な様子を見ている私は、梅雨が嫌いだ。でも、雨に濡れた、次々と色が変わっていく紫陽花を見たいだなんてワガママを思ったりしている。

土の酸度によって色が変わるのをあなたは知ってる?

私は、14歳の時に知った。知ってからというもの、紫陽花を見ることが好きになった。

嫌いな梅雨の中で、好きを一つ見つけたのだ。

17歳の梅雨を迎えたある日、下校途中で私が好きな青と紫が混じった紫陽花を見つけた。オーソドックスかもしれないが、私は好きだ。

傘が雨に打たれてパチパチ弾けてる。そんなことを思いながらも足を止めて紫陽花を眺めていた。そしたら「紫陽花をジッと見ているなんて変なの」と見ず知らずの女の子たち(同級生)に笑われた。そうかな?この綺麗さに気づかない方がよっぽどおかしくて、可哀そうに思えるけど…。

何しろ紫陽花が可哀そうだ。

そんな思い出話。

もう一つ、梅雨のここが嫌いって所。

星や月が見えない!

少し月が見えたかと思うとすぐに隠れちゃう。

見えた時にはカラカランとかポーンとかって月が何か話しかけてくるんだけど、なんて言っているのか私にはわからない…。

水溜の中には誰かの涙があって、それが蒸発して空に届いたら、その誰かの涙に空が共感してまた涙を落とす。

梅雨って憂鬱だね。

新しい傘を買ってあげたら、君も梅雨を少しは好きになるのかな?