カッター片手に語る夢
[憂鬱だ]
雨がカラリカラリと降っては物伝いに元の場所に戻っていく。
風がヒョーヒョー吹いてはモノを削っていく。
憂鬱だ。何もかも。
この世の中も。どうしたって息苦しい。
だから僕は、カッター片手に夜を待つ。殺そうと思ったんだ。そうすれば楽になれると思ったんだ。でも、単純で馬鹿な私は、また、出来なかった。
そうすると、私の部屋の窓をドンドンと叩いては、代償に何かを削っていくの。
悔しくて、カッター片手に朝を待つ。殺そうと思ったんだ。そうすれば、楽になれると思ったんだ。でも、期待しすぎた僕には、また、出来なかった。
そうすると、私の部屋の窓から平等に、とても残酷に、光が差し込むのだ。
結局、ただの自殺志願者の僕は、自分の無力さに泣く。ただ泣く。
それをかき消すために、昼は普通の人間のフリをして息をする。
羨ましき人を殺すのもありかもしれない。それは、同時に自分を捨てて、憎き人々も消せる。でも、自分は消せない。死なない。
ナイフの羽を使って、自分を殺したとしよう。でも、その死体からナイフの羽が取れることはない。その身が焼かれても、鉄のナイフは溶けて残る。
その人生を全うして初めてむしり取られる。
「人は皆、いつか死ぬんだから。」とか言うけど、いつかじゃ遅いんだよ!今がいいんだよ!死にたいと思えば思うほど冷静になって、仕事が上手くいったり、人間関係が一定になったり…。死神が「こんにちは。」なんて悲しげに足元から出てきてもいいぐらいには願ってる。だからこそ笑える。
そして頭がおかしいと笑われる。別にどうでもいいんだけどさw
どうせ死ぬし?
ほらね?そう思うと強くなれるでしょ?間違ってるんだろうけどさ。
生きるとか死ぬとかわかんないけど、最悪、愛とかもよくわかんない。
病んでるときに、「好きだ。」と告白をされた。
「好きって何ですか?」って純粋に聞いたつもりだった。でも、「あぁ。傷つけちゃった。」ってすぐに反省した。私が答えを出すより先に「気難しい人だな。」と言われたから「お前に何がわかる。自分の感情も理解できてないくせに。」なんて反省したことを訂正した。
何事も結論から言うと何でもすぐに話が上手くいくよね。
ここでの結論は、「死」が私を強くしている。それだけ。
空を見上げた時、自分を中心に雲が円を描いていたり、一直線に何処かに伸びていたりしない?私にはある。わからない人にわかりやすく例えるなら、船に乗って後ろを見ると、自分たちが通ってきた跡みたいに波ができているでしょ?
だから何ってわけでもないんだけど、自分中心に、自然が僕の味方をしている。なんて思える。こんなことを公に言うと何かしらの病名を付けられるんだろうねw
人間はいつだって自己中心的だよ。でも、何かの時に他人のことを理解する力が生まれたら、世界はほんの少し、変わるのかも知れないね。